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慢性腎臓病とは?

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、腎臓の働きが慢性的に低下した状態です。腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出する臓器ですが、この機能が徐々に衰えていきます。
かつては「腎臓の機能は一度低下すると元に戻らない」「進行を止める治療法がない」と言われていました。しかし近年、進行を遅らせる効果が期待できる薬が登場し、早期に発見して治療を始めることの意味が大きく変わってきています。軽度の段階で見つけて対応を始めることで、将来の選択肢を広げることができます。
慢性腎臓病の診断基準
慢性腎臓病の診断には、eGFR(推算糸球体濾過量)という指標を用います。これは腎臓が1分間にどれだけの血液をろ過できるかを示す数値で、血液検査のクレアチニン値から計算されます。
| 病期 | eGFR(mL/分/1.73㎡) | 腎機能の状態 |
|---|---|---|
| G1 | 90以上 | 正常または高値(腎障害あり) |
| G2 | 60~89 | 軽度低下(腎障害あり) |
| G3a | 45~59 | 軽度~中等度低下 |
| G3b | 30~44 | 中等度~高度低下 |
| G4 | 15~29 | 高度低下 |
| G5 | 15未満 | 末期腎不全 |
eGFRが60未満の状態が3か月以上続く場合、または蛋白尿が見られる場合に慢性腎臓病と診断されます。健診結果でeGFRの項目を確認していただき、60を下回っている場合は、症状がなくても一度ご相談ください。
慢性腎臓病の原因
慢性腎臓病の原因は様々ですが、多くは糖尿病や高血圧症などの生活習慣病と深く関わっています。
糖尿病によるもの
高血糖の状態が続くと、腎臓の細い血管が傷つき、ろ過機能が低下していきます。これによる腎臓病を「糖尿病性腎症」と言います。糖尿病によって慢性腎臓病を発症するケースは非常に多く、日本では人工透析が必要になる主要な原因となっています。
高血圧性腎硬化症
血圧が高い状態が続くと、腎臓の血管に負担がかかり、徐々に硬くなって機能が低下します。
その他の原因
慢性糸球体腎炎や多発性嚢胞腎といった腎臓自体の病気、また加齢による腎機能の自然な低下も原因となります。
放置するとどうなるか?
慢性腎臓病を放置すると、腎機能は徐々に低下していきます。初期の段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると、むくみ、だるさ、貧血、食欲低下などの症状が現れてきます。さらに悪化すると、老廃物を十分に排出できなくなり、人工透析や腎移植が必要になる場合もあります。
また、慢性腎臓病の方は心筋梗塞や脳卒中のリスクも高くなることがわかっています。腎臓と心臓・血管は密接に関係しており、腎機能の低下は全身に影響を及ぼします。
慢性腎臓病と他の生活習慣病
慢性腎臓病は、糖尿病や高血圧症と密接な関係があります。これらの病気が原因で腎機能が低下することもあれば、腎機能が低下することで血圧が上がりやすくなるという悪循環もあります。
また、脂質異常症や高尿酸血症も腎臓に負担をかける要因です。尿酸値が高いと腎臓に結晶が溜まりやすくなり、機能低下を招くことがあるからです。
慢性腎臓病の検査と治療
検査
基本的な腎機能の評価は、血液検査と尿検査によって行います。
- 血液検査:クレアチニン、eGFR、尿素窒素などで腎機能を評価
- 血液検査(追加項目):血糖、HbA1c、脂質、尿酸など関連する数値もチェック
- 尿検査:蛋白尿の有無を確認(腎障害の重要な指標)
- 血圧測定:高血圧症の合併を確認
連携病院での検査
腎臓の状態を詳しく調べる必要がある場合は、連携病院で超音波検査やCTなどを受けていただくことも可能です。緊密な連携体制により、受診から検査、結果説明まで迅速に対応できます。
治療
腎臓への負担を減らすため、以下のような取り組みが基本となります。
- 減塩:1日6g未満を目標に
- 血圧管理:腎臓を守るために血圧のコントロールは特に重要
- 血糖管理:糖尿病がある場合は血糖値の安定を図る
- 禁煙:血管へのダメージを減らす
- 適度な運動と体重管理
など
薬物療法
原因となる糖尿病や高血圧症の治療に加え、腎臓を保護する効果が期待できる薬を使用することがあります。
近年注目されているのがSGLT2阻害薬です。元々は糖尿病の治療薬として開発されましたが、腎機能の低下を遅らせる効果があることがわかり、慢性腎臓病の治療にも用いられるようになりました。当院でもこのお薬に対応しています。
早めの対応が未来を変える
慢性腎臓病は、以前は「進行を見守るしかない」と言われていた病気です。しかし今は、早期に発見して適切な治療を行えば、透析が必要になる時期を延ばせる可能性が出てきました。
堺市西区・津久野駅の岡原クリニックでは、軽度の段階から腎機能をチェックして、早めの治療開始を心がけています。
「健診でeGFRが低いと言われた」「腎臓のことが気になる」という方は、お気軽にご相談ください。腎臓を守ることは、心臓や血管を守ることにもつながります。今できることから、一緒に始めていきましょう。