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院長インタビュー

健康で長生きしてほしい
その思いが、生活習慣病治療の原点
なぜ生活習慣病に注力を?

医師会の活動を通じて、行政の方々と市民の健康について話す機会が増えました。その中で強く感じるのが「健康寿命」の大切さです。
長生きすることはもちろん素晴らしい。しかし私が本当に目指しているのは、患者様に「健康で長生き」していただくことです。寝たきりや介護が必要な状態ではなく、ご自身の足で歩いて、好きなことを楽しめる。そんな人生を送っていただきたいと考えています。
生活習慣病をしっかり治療すれば、脳卒中や心筋梗塞のリスクは確実に減らせます。適切な診療で患者様の健康寿命を延ばすことが、かかりつけ医としての私の使命だと思っています。
生活習慣病を放置すると?
生活習慣病の怖いところは、症状がほとんどないことです。健診で数値の異常を指摘されても、「自覚症状がないから大丈夫だろう」と放っておく方が少なくありません。
ところが、1年、2年と経つうちに、気づかないまま病状が進行してしまうケースがあります。特に動脈硬化は、ほとんどの場合で症状なく進み、そして症状が出た時には、すでに心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気になっていることも珍しくありません。
だからこそ、症状がない今のうちに対処することが大切なのです。「何ともないから大丈夫」ではなくて、「何ともない今がチャンス」と考えていただきたいですね。

気になったらすぐに相談を
検査から説明まで迅速対応
健診で異常が出たら?

少しでも異常があれば、ぜひ早めにご相談いただきたいです。
今の特定健診や人間ドックは、基準値をかなり厳しく設定しています。これは「病気になってから見つける」のではなく、「病気になる前に見つける」という考え方に基づいています。つまり、健診で引っかかったということは、体が発している早めのサインだと言えます。
この段階でご相談いただければ、生活習慣の見直しだけで改善できる場合もあります。薬を使わずに済むように持っていくことも可能です。早めに対応すれば、時間的にも費用的にも負担が少なくて済みます。「まだ大丈夫」と思わずに、気軽に相談に来ていただければと思います。
病院との連携体制は?
当院では、堺市立総合医療センターや馬場記念病院をはじめ、地域の主要な病院と連携しています。
特にありがたいのは、ICTを活用したカルテ共有の仕組みです。堺市内の地域医療支援病院とネットワークでつながっているため、連携病院で撮影したMRIやCTの画像を、当院でも確認することができます。
例えば、午前中に当院を受診された患者様が、午後に連携病院でCT検査を受けて、夕方には当院で結果をご説明するということも可能です。検査のために何度も足を運んでいただく負担を減らせますし、必要な時には速やかに専門の病院をご紹介できます。その後の経過管理は当院で継続していきますので、安心してお任せください。

厳しい治療は続かない
お一人おひとりの生活に合わせた方法をご提案
治療で大切にしていることは?

患者様のライフスタイルに合わせた治療を心がけています。
例えば、「夜7時までに夕食を済ませて、その後は何も食べないでください」というのが理想的な生活かもしれません。でも、お仕事の都合でどうしても帰宅が遅くなる方もいらっしゃいます。そういう方に理想論だけを押し付けても、長続きしませんよね。
大切なのは、その方の生活の中で実践できる改善策を一緒に考えることです。厳しすぎる指導は、かえって治療の中断につながってしまいます。「これならできそう」と思っていただける方法を提案して、無理なく続けていただく。それが結果的に、良い状態を長く維持することにつながると考えています。

治療の選択肢は広がっている
糖尿病も腎臓病も、早めの対応がカギ
糖尿病治療の進め方は?
糖尿病の治療も、基本は生活習慣の改善からです。ただ、それだけでは難しい場合には、お薬を使った治療を行います。
当院では、GLP-1受容体作動薬など、新しいタイプのお薬も積極的に取り入れています。また、インスリン治療に対して「大変そう」「怖い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、今は週に1回の注射で済むものもあり、治療のハードルはかなり下がっています。
以前は毎回血糖値を測って注射の量を調整する必要がありましたが、患者様の状態によっては、そうした手間なく治療できるケースも増えてきました。「インスリン」と聞いて怖がる必要はありません。気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。
腎臓病も治療できる?

慢性腎臓病、いわゆるCKDは、以前は「進行を止める治療法がない」と言われていた分野です。私たち医師も、軽度の腎機能低下に対しては、正直なところあまり積極的に介入できていませんでした。
ところが近年、SGLT2阻害薬というお薬が登場して、状況が大きく変わりました。このお薬によって、腎臓病の進行を遅らせることが期待できるようになったのです。透析が必要になるまでの期間を延ばせる可能性も出てきました。
治療の選択肢ができたことで、私たちも以前より積極的に腎機能をチェックするようになりました。その結果、思っていた以上に腎機能が低下している患者様が多いこともわかってきています。早めに見つけて、早めに対処する。これは腎臓病でも同じです。

たばこを吸っても、いいことは何もない
禁煙指導専門医として伝えたい本当のこと
禁煙外来への思いは?

正直に申し上げて、たばこを吸っていていいことは何もありません。
私は消化器外科の出身で、以前は手術も数多く行っていました。胸を開ける手術では、患者様の肺を直接見る機会があります。喫煙者の肺と非喫煙者の肺は、見た目からしてまったく違います。よく比較写真を見かけると思いますが、本当にあの通りなのです。
長年喫煙を続けていると、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気になるリスクが高まります。これは「肺の生活習慣病」とも言われる病気で、徐々に肺の機能が低下して、最終的には在宅で酸素療法が必要になることもあります。そうなる前に、できるだけ早く禁煙していただきたい。その思いで、禁煙外来に力を入れています。
禁煙成功のコツは?
一番大切なのは、再喫煙を防ぐことです。
禁煙がうまくいっていても、仕事などで強いストレスを感じた時に「たばこを吸えば楽になる」と思い出して、つい手を出してしまう方がいます。でも、これは実は勘違いです。
たばこを吸っている人はニコチン依存症の状態にあります。ニコチンが切れるとイライラして、たばこを吸うとそのイライラが解消される。ニコチン切れの禁断症状が取れたことを「ストレスが取れた」と錯覚しているだけなのです。実際には、たばこを吸っても仕事のストレス自体は何も解決しません。
このメカニズムを理解していただくことが、禁煙を成功させる鍵になります。当院では、こうした説明も丁寧に行いながら、禁煙をサポートしています。

症状がない今だからこそ、できることがある
健康で長生きするために、一緒に取り組みましょう
患者様へメッセージをお願いします
生活習慣病は、症状がないからこそ放置されてしまいます。でも、症状が出てからでは遅いのです。今、何ともないうちに始めること。それが、10年後、20年後の自分を守ることにつながります。健診で異常を指摘されたら、ぜひ一度ご相談ください。この段階であれば、生活習慣の見直しだけで改善できることも多いです。
当院では、お一人おひとりの生活に合わせた無理のない治療を大切にしています。「これなら続けられそう」と思っていただける方法を、一緒に考えていきましょう。健康で長生きするために、私たちがしっかりサポートいたします。